「コリデール」という種類のヒツジをご存知ですか? 白色で、毛がモコモコしているヒツジです。みなさんがヒツジと聞いてイメージするヒツジは、コリデールに近いのではないでしょうか。
今回は、2010年5月12日(水)午後1時30分から約1時間予定している、「1年に1度!コリデールがさっぱりする日」の予告です。
上野動物園の子ども動物園には、現在4頭のヒツジがいます。そのうち2頭はセントクロイ、あとの2頭はコリデールです。
セントクロイは肉用のヒツジで、すらりとした体型に、短くフワフワした毛をしています。このヒツジは、野生のヒツジのように換毛期に毛が抜け落ち、夏用の毛が生えてきます。
一方、コリデールは、人が毛を利用するために改良したので、夏を前にしてもモコモコした毛が自然に抜け落ちることはありません。そのままにしておくと、なんと一生伸び続けるのです。寒い冬にはモコモコの毛が暖かくて役立ちますが、夏の暑さを乗り切ることはとてもできません。そこで年に1度、飼育係が毛を刈ってやるのです。
毎年恒例となっている毛刈りですが、私は4月からヒツジの担当になったばかり。毛刈りのあいだ、ヒツジをおとなしくさせるためには先輩から伝授された技を使うしかありません。じつは、コリデールは、倒したあと肩甲骨の間に何かをはさんでおくと、とてもおとなしくなるのです。予行演習をしてみたところ、ちゃんとおとなしくなってくれました。
毛刈りにはバリカンを使いますが、コリデールの毛はとても油っぽく、密集して生えているためか、バリカンが切れなくなることがります。ヒツジに負担をかけないよう、事前にバリカンを手入れし、スムーズな毛刈りをしようと気合いを入れています。
今は、モコモコした毛に覆われてずんぐりしているコリデール。毛がなくなると、どのような姿になるのか、とても楽しみです。
写真上:セントクロイ
写真下:コリデール
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2009年の毛刈りのようす
〔上野動物園子ども動物園係 吉田真理子〕
(2010年05月07日)